注目ブランド GIANNETTO(ジャンネット)
南イタリア、アンドリアのファミリーカンパニー、カミチェリア・サンフォート社の手掛けるブランドGIANNETTO(ジャンネット)は、サルトの技術をベースに、南イタリアらしいエッセンスを加え、自社工房でハンドメイドの工程を多用して生産されるシャツブランドです。 シャツの第2ボタンと第3ボタンの間に施される太陽マークの刺繍があまりにも有名ですが、昨今はその縫製技術を活かしジャケットやパンツ、ベストなどをトータルに展開しているブランドでもあります。 全てのアイテムは、イタリアの海外リゾートである”PORTFINO ポルトフィーノ”の美しい風景を連想させ、リラックスした印象でありながら、ヨーロッパの上流階級のライフスタイルを連想させるようなエレガントさを感じさせるコレクションを展開しています。 イタルスタイルでは2020年春夏シーズンは、ジャンネットの主力アイテムであるCAMICIA=シャツと、初のリリースとなるポロシャツを展開しています。
数年前まではホリゾンタルやワイドスプレッドなど襟の開きが広いものが圧倒的に主流でしたが、現在は徐々に襟の開きは狭くなってきている流れがありますので、襟型は少し小さめの羽襟で開きが狭いモデルを選んでいます。この襟型は非常に今の気分を反映していて、タイドアップにも対応します。ボディはパンツイン、アウト共に可能な着丈の長さで背ダーツが無い適度なフィッティングのVinci Fit(ヴィンチフィット)を選んでいます。 そして、全てのモデルで左胸のフロントポケットはありません。勿論、発注時に指定して 付けることは可能ですが、我々としてはポケットの無い事で不便さを感じることもある ことは理解した上で、やはり下着が出自であるシャツにはポケットは無い方を好んでいるというだけです。 これは好みの問題ですので、どちらが正解だという問題ではありません。その代わりと言う訳では無いのですが、表前立てにしています。ノータイのスタイリングではこれがあるのと無いのとでは見え方は大きく異なってきます。 ブランドアイコンの太陽の刺繍のイメージが強く、ボタン付けもザンパテグリアート(鳥足付け)ですので、どうしてもディテール面にフォーカスされてしまっているように感じますが、ジャンネットはディテールだけでは無く、南イタリアのシャツメーカーらしく、袖付けは後付けになっていたり、使用している貝ボタンも極端に厚みのあるものでは無く、実用的な厚みのものを使用しており、非常に留めやすくなっていたりと、拘りを持ったシャツメーカーが当たり前に行なっている事を真面目にきちんとやっている安心感のあるブランドでもあります。
そして、2020年春夏シーズン、GIANNETTOが満を持してリリースをしたのが、大人の男性の定番アイテムとも言える“ポロシャツ”です。 非常にソフトで通気性に優れた鹿の子を使用していて、伸縮性もあり、一枚でも透けることの無い素材感です。正に高温多湿なこれからの季節にちょうど良いのですが、このポロシャツのポイントは素材と言うよりは、正にシャツメーカーの手掛けるポロシャツであることが随所に見て取れる仕様になっている点です。 そして、それは特に襟のデザインに表れています。シャツと同様のカッタウェーカラーは 上品な印象で、台襟があることにより、襟がきれいに立ち上がります。そのことによりジャケットのインナーとしても非常に優秀で、例えばゴルフの際に着用して行って、そのままラウンドするようなことも可能です。 他にもシャツの仕様は様々なところで見てとることができ、ロングスリーブのモデルに 採用されている剣ボロ付きのカフス仕様や、鳥足付けによるボタン付け、そしてロング・ ショート共にお馴染みの太陽マークの刺繍がシャツと同じ場所に入ります。 また、ポロシャツのフィッティングというのは中々難しく、少しでも大きめなサイズ感で着用しますと、途端に野暮ったくなり、また、あまり極端なタイトフィティングでも今はトゥーマッチな印象となってしまいます。その点、ジャンネットのポロは適度にタイトなサイズ感で、非常に優れたバランスに仕上がっています。また、ショートスリーブに関しては、袖の長さもポイントで、短すぎず長すぎず、秀逸な長さ。これも緻密に計算されているのでしょう。 これからも本社と工場のある南イタリアの小さな町から、今まで引き継がれ培ってきた確かな物づくりの技術と、代替りしたことによる若い感性を活かして、新しいものを生み出していくであろうジャンネットのコレクションに期待しています。