クラシックな仕立てと適度なヌケ感が共存する。
CIRCOLO1901のネイビージャケットを手に入れる。
男の装いを考えるとき、正式な場にふさわしいものや見合った靴は揃えておく必要はありますが、極端な言い方が許されるなら、普段使いまた日常のビジネスシーンであればチルコロのジャケットやセットアップが数着あれば充分な時代になったのではないかと思っています。
つまりデニムパンツはコットン100に限るという意見を否定するつもりはありませんが、ストレッチの効いたものが支持されているという状況も否定できないと思うからです。
ICTの浸透により働き方が変わっています。それはライフスタイルも同様で、よりリラックスした暮らし方が求められています。
そうした時代の空気感を吸い込んだものが、CIRCOLO1901に結集したのではないでしょうか。
1901の意味すること
それまでもスウェット生地やニット素材を使ったジャケットやセットアップがなかった訳ではありません。しかしチルコロとの違いは仕立てが簡易的であったことと素材感のままユルさが勝っていたという印象があります。カジュアルというよりもスポーツウェアという印象が強かったのです。
「チルコロ(CIRCOLO1901)」は2009年、南イタリアのバーリでスタートします。テキスタイルメーカーS.G.L.社で20年間の経験を積んだ創業者が発表したスウェット生地のジャケットが話題を集めます。S.G.L.社は1901年より継続しているテキスタイルメーカー、自身を育ててくれたS.G.L.社へのオマージュとしてブランド名に1901と冠したと言われています。
仕立てと生地感
チルコロを羽織ってみると分かるのですが、肩への乗り方と胸の位置、そのフィット感の良さに気付きます。肩パットのないアンコン仕立てなのですが、とにかく肩がキマるという印象を受けると思います。
それをかなえているのが、「イージークラシック(Easy-Classic)」というコンセプトで、リラックスできるスウェット生地しかし仕立てはクラシックという姿勢に結集しているのです。
柔らかく腰の弱いスウェット生地をクラシック仕立てで仕上げるという事は簡単ではありません。しかし縫製やステッチは出来る限りクラッシック仕立てを模した方法を採用しています。さらに縫合した部分にパイピングを施すことでアクセントを加え、ブランドならではのアイコンに仕上げています。
そして何と言ってもリラックス感がありながら、適度なハリと表情をもる生地を採用することで他ブランドでは真似できないオリジナリティを生みだしているのです。
プリントが生きるジャケット
ネイビージャケット推しのタイトルになっていますが、2着目を求めるならチェックやストライプが施されたプリントものをチョイスして欲しいのです。しかも少々派手な印象のもの、ビジネスにはちょっと、と躊躇されるものを選んで欲しいと思います。
これも羽織ると分かるのですが、見た目ほど派手に感じません。それは生地のもつ柔らかさ、光を吸い込む素材感にあるのではないかと思っています。
スウェット生地は編み込んで生成されます。それを染色する、またはプリントを施すことで色が沈みこみます。そこに織った生地との違いが現れるように思います。
秋冬であれば暖かみのあるものを、春夏であれば清々しいものを取り入れる。ビジネススタイルが変わるような気がします。
アイテム紹介
多くの方が持っているアイテムですが、チルコロのネイビージャケットを是非取り入れてください。
全身で可動域の広さを感じると思います。さらに前ボタンを締めても窮屈でないので、姿勢が整い溌剌とした印象が生まれます。
ビジネスで使用される場合は
グレーのウールパンツは最強のパートナーです。黒のローファーなど躍動感のある足元でしめましょう。
パンツも見逃せません
スラックスタイプ、また最近ではイージーパンツも支持されていますが、ビジネスで使うならスラックスタイプが無難でしょう。
ワンプリーツの入ったものが多くなっていますが、プレーンな仕立てででも柔らかい生地感なので腰回りのリラックス感が違います。
また回復力のある生地が多く、膝のヌケなどもあまり感じません。
その他にもコートやカジュアルジャケット、カットソー、Tシャツなど様々なアイテムを発表していますが、そのバックボーンにあるのは拠点が置かれる南イタリアのリラックスした空気だそうです。
アイテム通しのコーディネイトはもちろん相性がいいのですが、お手持ちのデニムやニットを合わせてみるとこれまでとは違った印象を与えてくれるのがチルコロならでは魅力と言えそうです。
そして、許されるならシャツは着ない
チルコロのジャケットはシャツよりもカットソーやニットとの相性がいいと言われます。やはり編み物通しという成り立ちの問題にある様です。
ですからリラックスできる場に着ていくのであれば先のようなコーデをお勧めします。
春夏であれば白のカットソー、半袖ニットなどが軽快です。秋冬であればタートルニットが景色に合います。
まとめ
ブランドタグが無い、というよりも転写されているのもチルコロの特徴です。ジャケットであれば襟裏にCIRCOLOのプリントが施されています。
どこまでも自由でリラックスを得れるのがチルコロの魅力ですが、それに流されないように凛と着こなす姿勢が肝心です。